3分要約・ロカボで食べるとやせていく

Health

元気ですかー!
WELLNESS INVESTMENT CLUBのTOSHIです。

「元気が一番、元気があれば何でも出来る!」

燃える闘魂、故アントニオ猪木さんのこの言葉、正直に言うと、以前はそれほどまでにしっくりとくるものではなかったが、健康リテラシーを高めていくにつれて、じわじわと、はっきりと心のど真ん中に突き刺さってくるものがあるのである。

修羅場を幾度となく乗り越えてきた猪木さんだったからこそ、行き着いた一つの真理なのではないか。

ヒトにとって、何よりも元気で健康であることが、家作りにおける基礎工事のように大事なのである。

一にも二にも、まずは心身の健康を整える。
全てはこの土台の上に成り立つということを、故アントニオ猪木さんのこの言葉は、思い出させてくれるのである。

3分で世界の見え方が変わる。
「食」は健康への入り口であり、自分への投資である。
その食に対する認識が変わるだけで、自分をノーリスク・ハイリターンな安定、安心、超優良な投資先へと変貌を遂げることが可能なのである。
それでは、本日のthree minutes investmentはこちら。

「1、2、3、ダー!」

山田悟医師の『ロカボで食べるとやせていく』である。

ロカボって何?

皆さんは、ダイエットと聞くと、どんなイメージが頭に浮かぶだろうか?

ちなみに私なんかは、ストイックさが真っ先に脳裏に浮かぶ。
厳しく、カロリー制限して、常に空腹との戦いというイメージだ。
好きな食べ物、脂質の高いものや炭水化物なんか一切摂らない、ひたすらに鶏のささみと野菜のみしか食べないっといった具合にかなりハードでイバラの道を突き進むイメージが強い。

しかし、しかしである。
なんと、「おいしく楽しく食べて健康になれる食事法」なるものがあるというのである。
それが、

ロカボ

である。

「ロカボ」とは、〝緩やかな糖質制限〟をする食事法のこと。

筆者は糖尿病専門医として、日々、患者と向かい合いながら、食べる喜びが損なわれる糖尿病治療において、いかにQOLを上げていけるかを追及し、そこで糖質制限食に出会ったという。

低糖質を英訳すると、「ローカーボハイドレート」。
これだとあまりに学術的で敷居も高いということで、筆者は新たな言葉を作ったという。
それが、「ロカボ」なのである。

ロカボは1食あたりの糖質量を抑えて食べ、1日の糖質摂取量を、決められた範囲内にするというもの。
主食である米やパンの量を減らす分、おかずの量を増やしてお腹いっぱい食べようという考え方である。
小難しいことは一切なく、至極、単純なメソッドではないのだろうか?

お腹いっぱいなんて食べたら、逆に太ってしまうんじゃないの?って思うのが、自然の反応だろう。
しかし、おなかいっぱい食べてもよしとは言っているが、人間のカラダは正常ならば、自然と食べてもいい量を感じ、ストップをかけてくれるのであるという。
したがって、是非、おなかいっぱいになるまで食事を楽しんでほしいと筆者はいうのである。

その際に注意するのは、糖質が増えないようなおかずを増やすということ。
糖質の多いものを食べるとホルモンの働きで、空腹を感じやすくなり、タンパク質や脂質を摂ると、逆に空腹感を感じにくくなるという。

そんなこと言ったって、どうしても糖質の高いものを食べたり、飲んだりしたいときがあるじゃん。

そんなときは、本来の食事で摂るはずだった糖質量を考えて、そこを置き換えればいいのがロカボ流だという。
ロカボの考え方の柔軟性として、糖質を完全に断つのではなく、下限を決めて、毎食一定量以上は食べることを前提にしていることにある。
これにより、他のダイエット法と比較しても、挫折せずに続けられる、実に継続性の高いメソッドだと思われる。

ロカボの実践

具体的に数字で示すと、
ロカボは、1食あたりの糖質量を20~40gに抑え、それとは別に間食として1日10gまでのスイーツも食べて、1日の糖質摂取量を、トータルで70~130gにしようよ、というメソッドである。

とてつもなく、柔軟性が高いではないか。
ダイエットしている人がこれまで我慢していた好物なんかも、やり方によっては、全然、余裕で食べられるのである。

ちなみに本書で筆者の朝ごはんは、だいだいいつもポトフとエクレアだと言及している。
通常のエクレアの糖質量は約20g程度だという。
これにポトフの具材のニンジンやジャガイモの糖質を加味しても、ロカボの規定値である1食40g以内にしっかり収まっているというわけで、範囲内であれば、エクレアだって食べれるのである。

ほかにも、スイーツとしてハーゲンダッツのアイスクリームを例にしてみよう。
ハーゲンダッツのアイスクリームなどは、ミニカップ1個で糖質は約20gである。
間食として食べる際は規定値10gだとすると、1個まるごとは多すぎになってしまうが、半分は食べれるのである。
毎日食べても問題にはならないのである。
毎日のご褒美にしては余りあるものではないだろうか?
定価にして、最近は値上がりのあおりを受けて、税別で295円になるが、スーパーによっては200円台前半で安売りしている所もある。
うまく利用すれば、1日半分食べたとすると、100円ちょっとでリッチな気分を味わえるなんて最高かよ。
ロカボはヘルパだけではなく、高いコスパも兼ね備えているのである。

このメソッドで重要なのは、食品に含まれる糖質量を把握すること。
パッケージ裏の成分表や気になる食品の糖質をネットで調べる癖がつけば、勝ったも同然、ハードルは俄然下がるのである。

ここで一旦、話を変えて果物の話をしたい。
果物は全般的に低GIだから、血糖値を上げにくいとか、「朝の果物は金」、「果物は医者いらず」という格言があるように、ヘルシーな食べ物だと思っている人も多いと思う。
しかし、実はたいていの果物には、たくさんの糖質が含まれているという。
果物が血糖値を上げにくいのはなぜか?
それは果糖が多く含まれているから。
果糖は体の中に入ると、肝臓で10-20%だけ、ブドウ糖に変換されるが、残りは中性脂肪に変化するという。
なので、ブルーツは健康だという妄信は捨てた上で、あくまでも、おやつやスイーツ的な感覚で付き合うべきなのである。
そして、ドライフルーツや100%フルーツジュースはより注意が必要であるという。
濃縮されている分、糖質がとても高いからである。
間食的な立ち位置に置くと、摂れる糖質量は10gまでに抑えたいところであるから、例にとると、イチゴだったら4~5個は食べれるし、リンゴは1個あたり糖質約30gほどだから、1/3程度、みかんだったら、1個食べれるといった具合である。
どうしても、もっと食べたいよって日もあると思う。
そういう日は、メインの1食あたりの糖質の規定値である20g~40gの範囲内でトレードオフして、優先度が低いものをカットして、食べたい果物をそこに置き換えればいいのである。

こんな具合で、制限を設けた上でも、ゲーム感覚でやってみると楽しくなってくるものである。

こういった考えをマーケティング業界では、〝ゲーミフィケーション〟と呼ぶらしく、本来はゲーム要素がないところに、ゲームの要素や考え方を取り入れることで、モチベーションが上がったり、目標の設定がしやすくなったり、何にもまして、つまらないことが楽しくなるという効果を期待できるのである。

話が若干、逸れてしまったので、戻そう。

そもそも、糖質って?

改めて、糖質とは何であろうか?

炭水化物、脂質、タンパク質のことを合わせて、三大栄養素と呼ぶが、おおまかに言ってしまえば、炭水化物=糖質と考えてしまって、大筋は外れないだろう。
厳密には、炭水化物は糖質に食物繊維を加えたものではあるが、ここではほぼ同義としてとらえていきたい。

そして、糖質を多く含む食品としては、米やパン、麺類、いも類、カボチャ、大豆以外の豆類、お菓子、果物などである。
逆に糖質の少ない食品は、肉、魚、大豆製品、いもやカボチャ以外の野菜、ナッツなどが挙げられる。

簡単な機序として、糖質のある食品を食べると、血液の中でブドウ糖になる。
血糖(血液中のブドウ糖)の量が増えると、すい臓からインスリンというホルモンが出てきて、カラダがブドウ糖をエネルギーとして利用できるように働く。
しかし、余ってしまうと、脂肪として蓄えておくように働くのである。
現代は昔ほど、カラダを動かさなくなったので、血中のブドウ糖がダブつき、脂肪として蓄えられる割合が多くなっているという。

そして、現代は、糖質の摂り過ぎの時代ときている。

近年、増加の一途を辿る糖尿病の原因となる血糖値を上げるのは、糖質だけだという。
脂質やタンパク質などの他の栄養素は、基本的に食べても血糖値を上げることはないのである。

それならば、糖質を食べるのをコントロールさえできれば、インスリン分泌もコントロールできる。
そして、インスリン分泌が少なければ、その作用による中性脂肪の増加も防げる。
結果、肥満を防ぐことができる。

という公式が成り立つ。

さらっといったが、これって、とてもなく重要で、ダイエットをする人にとってはシンプルな真理なんじゃないかな?

要は、極論、血糖値のコントロールさえ出来れば、何を食べても太ることはないという理屈である。
そして、その肝となるのが、糖質と上手く付き合うこと。
恋愛と近しいものがある。
長続きさせるには、距離が近すぎても、遠すぎても喧嘩や別れの原因となるのと一緒で、このメソッドも糖質の上限を超えてもだめだし、下限となる1食20gを下回るのも逆に避けるべきなのである。

ここで、非常に面白い研究を紹介したい。

2008年、世界ナンバーワンの臨床医学雑誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載されたある研究によると、カロリーもアブラも気にせず、糖質だけを控えましょうと、1日の糖質量を120g以下、つまり1食あたり40g以下に抑えたグループが血液中の中性脂肪を一番下げていたという。
動脈硬化を予防できる善玉コレステロールを一番増やしていたのも同グループだったという。

ここから、カロリー、タンパク質、脂質の摂取量の面倒な計算をしなくても、低糖質にしてさえいれば、血中の脂肪の値も根こそぎ良くなり、肥満、脂質、血糖が改善できるということがはっきりと証明されたわけである。
医学的に見ても、確固たる根拠のある効果的な食事法なのである。

無理なく、楽しく

ロカボは生活習慣病の予防や単なるダイエットにはとどまらないと筆者はいう。

確かに非常に太っている人はかなり体重を下げることができるし、そこそこ太っている人も体重が減る。
特筆するのは、やせている人に対しては逆に筋肉をつけ、体重を増やす効果があるということ。
つまり、太っている人もやせている人も理想的なプロポーションへと変化するのである。

ぽっこりと出たおなかの脂肪は、食べ物でいえば、アブラではなく糖質から作られているのである。
ロカボを続けていくと、すでにカラダについている脂肪をエネルギー源として利用するようになっていくため、余計な脂肪を燃やしやすいカラダになるという。

ロカボでは、1食あたりの糖質量を20g~40gとして、20gの下限を設けているのが、ミソである。
極端な糖質制限は食事の楽しみを奪うことになるし、食べるのを我慢するばかりでは、日常のQOLはかなり下がって、味気ない人生になってしまう。
ロカボのくだけた定義は、何度もいうが、

おいしく楽しく食べて健康になれる食事法

なのである。

現在、日本人の死因は、1位ガン、2位心臓病、3位肺炎、4位脳卒中となっている。
そして、肺炎のほとんどは脳卒中の後遺症で起こっているというのを鑑みて、ひとくくりにすると、ガン・心臓病・脳卒中、この3つが日本人の死につながる主要な病気と考えていいという。
糖尿病は、このいずれにも密接に関係しているのであるから、隠れ死因の筆頭として、糖尿病を上げていいのではないか?
そして、その裏で暗躍している大ボスが糖質という事がおのずと導くことができるだろう。

肥満の真犯人

アメリカはこれまで、ずっとアブラは不健康、肥満の原因として、脂質悪玉論を擁護してきた。
そして、アブラを減らした穴を埋めるように、糖質の摂取量を増やしてきた。
その結果として、肥満大国になってしまったのである。

そこで、2015年、日本の厚生労働省にあたるアメリカの政府機関は、5年ぶりに「食事摂取基準」を改訂し、その中で過去40年の栄養政策をひっくり返すのである。

食べるコレステロールは制限しない。食べるアブラも制限しない。なぜなら、それらを控えても心臓病の予防にも肥満の予防にもつながらないからである。

と述べ、コレステロールとアブラの摂取量の上限も撤廃したという。

「健康のため、やせるためにアブラを控えましょう」という話は、日本でも近い将来、時代遅れの考えになってくることが予想される。

中性脂肪はアブラをたくさん食べたからではなく、糖質の摂り過ぎによって増えるのである

しかし、太っていないから心配いらないと思ってしまうのは早計である。
日本人を含む東アジア人は、そもそも体質的にインスリンを出す力が弱い人種であるという。
インスリンを出す力が弱いということは、肥満になるより先に、高血糖が持続しやすいことから糖尿病のリスクが高いことを示唆している。
遺伝的な体質に拍車をかけて糖質をたくさん食べていたり、運動不足であったり、そこに加齢が加わってくると、糖尿病の発症リスクは俄然高まるのである。
体質、加齢については、どうしようもない部分もあるので、残りの食事と運動面からアプローチして、生活習慣病を予防していくことが重要であるという。

近年、アメリカではついに、これまでずっと増え続けてきた糖尿病の患者数の増加率がなだらかになってきているという。
それは、2008年に肥満の治療法として、糖質制限食が認められたあたりが転機になっているらしいのである。
アメリカの後を追っている感がある日本もこれに倣うことで、糖尿病の増加率に歯止めが効くことを期待したい。
ロカボによる医療費削減による効果は数千億円から1兆円を超える規模なのではないかと試算されているという。

この浮いたお金を他にうまく回すことが出来たなら、「国よし、患者よし、世間よし」の三方よしの経済効果も期待できるのはないだろうか?

そして、団塊の世代がこぞって、後期高齢者へと突入していくこれからは、このロカボこそが高齢者のロコモティブシンドロームやフレイルの効果的な予防線ともなりうるのである。

近い将来、ロカボがスタンダードになることで、ダイナミックに社会が変革していくのではないかと容易に想像できるのは、このメソッドが実に再現性が高く、日常に浸透しやすいものであるからだと思う。

このブログを読んで、ロカボの多大な可能性を感じた方は、是非とも本書を読んで、身をもって、その効果を実践していただきたいものである。

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